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次期総選挙〜小選挙区実施となって15年間に5回の衆院選で
一度も勝っていない道8区自民党、水面下で候補者選考すでに本格化〜
自民道連、前田一男松前町長擁立の意向強めるも
地元経済界首脳筋「本当に前田で勝てるのか」との強い懸念!
この際は「全敗の流れを1回変えるために、大物の国替え・移入擁立」の話
『国替え』の「勝てる候補」その大物とは―。
1996年10月実施となった小選挙区選挙以来、自民党候補が一度も勝っていない道8区。今日までの15年間に5回の総選挙が行われ、いずれも民主党候補が勝利し、ただ1回だけ最初の1996年に自民党候補(故佐藤孝行)が小選挙区比例代表並立制によって比例復活当選したが、2回目の2000年6月からは復活当選すらない情けない状態で、自公政権の9年間はじめ11年間にもわたって自民党国会議員がいない状況にある。
殊に、2年前の総選挙(09年8月)では自民党が大敗北し、民主党への政権交代となり、この中で道8区でも自民党候補(福島啓史郎)及び保守系無所属候補(佐藤健治)ともに歴史的大惨敗。民主・逢坂誠二が自民・ 保守2人合わせた得票を7万3千票も上回る空前の17万1、114票を獲得し、自民・保守は徹底的に打ちのめされ、ドン底極まった。
それから早まる2年、粘りに粘った菅直人首相が退陣することになり、同首相によるいわゆる「脱原発解散」はなくなったが、早期解散を至上命題とする今年春以来、道連を中心に水面下で次の総選挙・道8区で自民党候補に誰を擁立するか模索が行われ、すでに本格検討されている。
ズバリ、道連の首脳や実力者らは8年前の03年11月の総選挙で道8区から保守系無所属新人として出馬(3位落選)した現松前町長の前田一男(45歳、写真右上)を擁立する意向に傾いている様子にあるが、地元経済界首脳筋らからは「本当に前田で勝てるのかどうか」といった強い懸念の声も聞かれる。
「ほかにいないから前田一男という選択でないか」という冷めた見方もあって、「前田で民主党・逢坂誠二(52歳)に勝てるか!」と今日民主党のマニフェストが政権運営の体たらく相まって破綻し、自民党にとって議席獲得の絶好のチャンスと評されているだけにきびしく問われ、「なにぶんにも小選挙区選挙になって1回も勝てずに全敗している。このきびしい現実、流れを変えるには既存大物政治家の国替え・擁立でも真剣に考えた方がいいのでないか」「大胆に、この際は勝てる大物に来てもらい、1回流れを変える。若手新人はそれからでもいい」。こんな国替え移入の「超ウルトラC」の意見が出ている。
(文中敬称略)
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政権交代となった前回の総選挙で北海道の自民党は、道内12小選挙区で1勝11敗と大惨敗した。当選したのは道7区で前釧路市長の伊東良孝(選挙後自民党道連会長に就任し、現在に至る)1人で、比例復活で元幹事長の武部勤(道12区、70歳)と元官房長官の町村信孝(道5区、66歳)が当選しただけという歴史的な敗北をした。
現在、本道自民党衆院議員は伊東会長と武部、その後比例を辞して5区補選に出馬し、小選挙区カムバックした町村、町村後に繰り上げ復活当選した旭川の今津寛(道6区)の4人を数えるだけだ。
ちなみに、民主党は道5区で選挙違反によって小林千代美が議員辞職を余儀なくされ、衆院議員は比例の4人を含めて14人となっている。
本道自民党にとって悪夢の2009衆院選であったわけで、次回このリベンジが何よりの大きな課題となっている。政権復帰には絶対に負けられない。
このような中でこれまでのところ、落選・自殺した中川昭一元財務相後の道11区で中川の未亡人(中川郁子)の擁立が決まり、道9区では一旦は辞めると言った鳩山由起夫前首相がきびしい批判にさらされていることから、自民復活の象徴選挙区として議席奪回の目玉ターゲットにしている。
また、最近の話題としては岩見沢や夕張などのほか空知、留萌両管内の道10区から稲津久公明党衆院議員(比例代表)出馬説が持ち上がり、自民党関係者の中では出馬間違いなしといった話にもなっている。自民党との調整が難航する可能性があるが、稲津が自民党の支援も得て出るとなれば、一気に焦点選挙区となって民主・小平忠正衆院議員との大勝負になる。
そして、誰を立てるかということで内定を急いでいるのが問題の函館・道南の道8区だ。
伊東会長らは「早いうちに候補者を絞っておきたい」(関係者)とし、数日前にも同会長は来函、地元経済界首脳や自民党道議など関係者と話し合っている。先だって東京においても、町村や武部の実力者らが道8区の候補者問題を語り、意見交換している。早く決めたいとし、選挙の土壇場まで決まらなかった前回の候補者選考と同じ轍は踏まないという強い考えにある。
道8区ではこれまで佐藤派とか旧阿部派のことが大きなネックになっていた。どうしても保守一本化ができずにきた。
しかし、父親の佐藤孝行元衆院議員(元総務長官)の2連敗の後、前回まで3回続けて出馬・落選した佐藤健治が選挙違反で(買収)で捕まり、有罪、公民権停止となって消えてしまい、さらに先般佐藤孝行も死去した。
この結果、道連は「もう佐藤派も旧阿部派もない。やっと候補を一本化できる」という認識にあり、それだけに「いつ解散・総選挙になってもいいように決めておきたい。今度は議席獲得のチャンス」(関係筋)としている。
そこで、有力候補として上がっているのが前田一男。03年11月の衆院選に自民・佐藤健治とともに出馬し、当時比例から回った民主党・金田誠一と争ったが、保守共倒れした。
この後、ふるさとの松前町にこわれて無競争で町長2期目にあり、来年が任期満了。元々国政への機会をうかがっており、言うなら松前町長は一時しのぎ、便宜的にやっているに過ぎない。09衆院選で道連は候補が決まらなく、困り果てて前田擁立にも動いたが、佐藤健治も無所属で出たこともあって本人は固辞した。
道連の伊東会長はこの前田を今度こそ保守一本化で擁立しようとの意向を固め、地元経済界首脳など道8区保守関係者へ本格打診し、武部や町村の実力者も前田擁立に同調している。背景には「地元の現状では前田しかいないだろう」ということがある。
前田本人も「町長はもういい」(関係筋)とし、チャンス到来として周辺にやる気を示している。
ところが、地元経済界首脳などの間で「前田で本当に勝てるのか」との懐疑的な意見が出ている。
2年前の政権交代となった選挙で民主・逢坂は圧倒的な17万票も取ったということもあるが、「逢坂は強い。したたかさもあり、かつての鉢呂吉雄よりも選挙はうまいのでないか」との見方もされている。今や民主党政権に失望感が広がり、全体的に次の選挙極めてきびしく、大敗必至とも言われ、同党北海道も同様で予断を許さないが、「そうは言っても全道12小選挙区の中では特に逢坂は強いだろう」とみる向きが多い。
ましてや、こうも言われている。「逢坂は4年後の道知事選の民主党候補の本命間違いない。高橋はるみ知事の4選出馬はないだろうし、民主党は次は逢坂を出す。このことはすでに口の軽い鳩山前首相なども言っている」「そうであれば、なおさら民主党北海道として逢坂は絶対落とせない。それだけ必勝の戦いはする」(地元保守首脳)。
この逢坂に「八方美人的な前田」をぶつけても結果はきびしいのでないかという意見なわけで、そこで「勝てる候補」として経済界筋などから水面下で声が出てきているのが大物の移入・擁立の話だ。
「小選挙全敗(5連敗)の流れを変えなければどうしようもないのでないか」とし、このためには佐藤孝行もいなくなったことだし、「道8区のため、全道自民党復活のために、大物代議士に国替えしてもらい、流れを1回変える。そうでもしなければ議席獲得は困難ではー」
そして、その大物とは「町村とか、武部に国替えしてもらう。両実力者ともに年齢的に出馬の先があるわけでもない。『定年』ということで出れるのもあと1回か2回だ」「で、2人の中では町村はともかくとして武部元幹事長が最適でないか」という話まで出されている。
武部勤(写真上左)については祖先の墓が大野町(現北斗市)にあるといわれ、祖先は函館・道南に草鞋を脱いでからオホーツク・斜里に行ったとされている。道南とは縁があるというわけだ。
加えて、武部については地元道12区で息子がすでに出馬できる体勢にあり、後継者の心配がなく、言うならば国替えがそう困難でもないだろうと。故渡辺美智雄(元大蔵大臣)の知遇を受け、中曽根派ー渡辺派ー山崎派という人脈にあり、何よりも人物的におおらかで、人なつこいことで人気もある。
この国替え話を武部にぶつけたら「本人はダメとも言わなかった」といわれる。
ときに、前田の擁立になったとしても、民主党に対する失望感はかなりのものがあるにせよ、「本人がそれこそ必至に、覚悟を持ってやるということが必須だ。そのためにも、町長は今秋、遅くとも今年中にも辞して、徹底して歩く覚悟なくして勝ち目はない」「菅退陣で解散は遠のいたとし、来年の町長任期満了をもって動き始めるなどでは話にもならないだろう」(保守関係者)。
承知のように逢坂は2年前の09総選挙で比例から道8区に移入されたが、07年11月に函館入りし、選挙はいつかいつかとはなったが、1年9カ月間にもわたって選挙運動し、選挙区を回りに回って、政権交代の大変な追い風もあったが大圧勝を呼び込んだ。
お膳立てしてもらい、苦労知らずにそれに乗るということで勝てるものではない。素材としてダメな者もいるが、苦労し多くを学べば進歩・進化もする。このことははっきりしている。 (本誌主幹・河野 玄)
(23.8.15付函館電子新聞有料サイトより)
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